イギリスの夏のデザートの定番『サマープディング』を作りました。
日本ではいろいろな種類の生のベリー類を集めるのは難しいので冷凍ミックスベリーを使って作っています。
材料もシンプルで、いつ作ってもいいのですが、なんとなく今年も夏に作りたいと思っていたら、もう8月も終わろうとしていたので慌てて作りました。
『サマープディング』について、そしてそのレシピを紹介したいと思います。
サマープディングとは
『サマープディング』は今ではすっかり夏の定番デザートになっていますが、元々は19世紀にスパなどで療養していた人々向けに作られたデザートでした。
スパでの療養というと温泉に入るだけでなく、水や温泉水(鉱泉水)を飲んだりするようなのですが、英語ではこの療法のことをHydrotherapy(ハイドロセラピー)といいます。
そのため最初は『ハイドロパシック・プディング』と呼ばれていたそうです。
『サマープディング』と名付けた方、素晴らしいことをされたと思います😄
イギリスのデザートというとバターたっぷりの物ばかりと言っても過言ではありません。
療養している方にはやはりそんな脂肪分の多いお菓子はダメということで、油脂を使わなくても美味しいデザートが生まれました。
消化する機能が落ちている方々向けの物だったというのが、油脂が多く含まれたものが食べられない自分と重なって、なぜ私が好きになったのかという理由がストンと腑に落ちました💦
『サマープディング』の特徴である、鮮やかな赤紫色は様々なベリー類から出る色です。
数種類のベリー類を組み合わせて作られるのが一般的であり、ストロベリー、ラズベリー、ブラックカラント(カシス)、レッドカラント、ブラックベリー、ブルーベリー他、様々なベリーが使われます。
チェリーを混ぜることもあるようです。
やはりフレッシュなベリーを使うと味も格別なのでしょうが、日本ではちょっと難しいような気がします。
苺はいいとして、輸入物でスーパーで見かけるのはブルーベリー、チェリー、本当にまれにラズベリーでしょうか。
そしてこれらが同じ時期に揃うかというと疑問です。
というわけで毎回冷凍ミックスベリーでお手軽に作っています。
サマープディングを作る
我が家にはプディング専用の容器や丁度良いぐらいの小さなボウル(サマープディングはオーブンで焼くような工程が無いので、陶器でなくても作ることができます。)はありません。
そのため、約500㎖ぐらいの容量のスープボウルを使って作っています。
元々はもっと大きいもので作る場合もあるデザートですが、最近はイギリスでも一人用の小さなものを作ることも多くなっているようです。
私自身も一人前ずつ作ってみようかなと思ってはいるのですが、なかなか実行に移せず、今回も作り慣れたスープボウルで作ります。
ちなみにもし一人前で作るときには蕎麦ちょこで作ってみようかなと考えています💦
サマープディングの材料
『サマープディング』の材料は下記の通りです。
材料
プディング本体
- 冷凍ベリーミックス 300g
- グラニュー糖 50g
- レモン汁 大さじ1
- サンドイッチ用食パン 7枚(今回使用した枚数)
※サンドイッチ用食パンの使用枚数は使用する型の形状により変動する場合があります。
デコレーション用
- 冷凍ベリーミックス 100g程度
※今回使用した物は200g入りだったので、2袋購入し、プディングの本体で使用した残りを解凍して使いました。
※デコレーションはフレッシュなベリーやミントの葉などを使用いただいてもいいと思います。
イギリスでは生クリームをかけて食べることも多いです。
ホイップを添えても、またデコレーションは無しでもかまいません。
今回冷凍ベリーミックスは西友のみなさまのお墨付きシリーズの4種のミックスベリーを使用しました。
冷凍ミックスベリーも様々ありますが、スーパーで手に入り、なおかつ4種類ものベリーが入っているというのがお勧めポイントです。
ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリーの3種類というのは比較的よく見つけるのですが、こちらにはブラックベリーも入っています。
使い勝手がいいので、クランブルなどにもよく使っています。
砂糖は綺麗な色にしたかったのでグラニュー糖を使用しました。
ベリーは色が濃いので、色のついたお砂糖でももしかしたらそんなに影響はないかもしれません。
お砂糖にこだわりがあるようでしたら、是非いろいろ試していただきたいです。
いろいろなお砂糖が揃っています。【cotta】レモン汁はレモンを絞りました。
レモン約半個分です。
食パンは薄い方がシロップもしみやすいのでサンドイッチ用を使用しています。
本当は食パンは少し乾燥している方がプディングを作るのには向いています。
私はこのデザートを作るときにしかサンドイッチ用を購入しないので、あまり意味がないと思いながらも作り始める少し前から開封しています💦
サマープディングの作り方
それでは『サマープディング』を作っていきます。
冷凍ベリーミックスを煮る
冷凍ベリーミックスを鍋に入れました。
苺が他のベリーに比べ大きいので、ラズベリーと同じぐらいにカットします。
カットしたらこんな感じです。
グラニュー糖を入れます。
更にレモン汁を加えたら火にかけ、弱火で煮ていきます。
時折混ぜますが、解凍が進むとベリーが崩れやすくなるので気を付けます。
水分が多くなってきたと感じたら少し火を強めて出てきたアクを取ります。
アクを取り終わったら火を止めます。
もし煮詰めすぎて水分量が減ってしまったら、火を止める前に水を少し足してください。
今回の量だと火にかけてから、火を止めるまでは10分かかりませんでした。
一応、果実部分を左に寄せて、水分の量が分かるようにしてみました。
粗熱が取れたら、ざるで濾して果実部分とシロップに分けます。
果実部分もシロップもどちらも使います。
火傷には十分注意してください。
パンを切る
まず、食パン一枚で、容器の底に置くパーツを作ります。
底面の円より一回り大きい円にします。
もし、抜型があるなら使えばいいのですが、我が家にはいいサイズの物が無いので蕎麦ちょこをひっくり返して、それに沿って包丁で切っていきました💦
余った部分も後で使うので取っておいてください。
容器に置いてみるとこんな感じです。
次に側面のパーツを作ります。
縦長において斜めに切り目を入れ、縦長の台形になるように切り分けます。
切る角度は、使う容器の形状により変わります。
底から口の広がりがあまりなければ台形でなく、長方形でもよくなります。
台形型のパンの上辺部分を丸い底側にセットして、放射状に並べていきます。
後でパンをシロップに浸けてから並べ直すので、この工程は省くことが可能と言えば可能なのですが、できれば一度並べてみた方がいいと思います。
微妙に足りなかったと、あわててパンを足したりしなくてもいいですし、確認しておいた方が結局はうまくいきやすい気がします。
ちなみに横から見るとこんな感じです。
容器から飛び出ている部分は後で内側に折り込んでいきます。
深い容器で作る場合は側面とパンの高さが同じぐらいになる場合があると思うのですが、その場合は蓋になるパーツを新しくパンで作ってください。
プディングを形成する
先程並べたパンを一度戻して、まず底面のパーツをシロップに片面浸けます。
容器に浸けた方が下になるように置きます。
次は側面パーツです。
上になる方を持って、容器の中に納まる範囲の片面だけシロップに浸けます。
裏側はこんな感じです。
先程パンを並べた要領で、もう一度パンを並べていきます。
浸けては並べるを繰り返します。
一周するとこんな感じです。
後で中央に先程の果実部分を入れていきます。
パンをシロップに浸けずに、並べて作っても作れないことは無いのですが、以前底面にシロップがうまく染み込まず、がっかりしてしまいました😞
その為、私はこの工程を入れるようにしました。
シロップを少し取り分けておいて、デコレーション時に塗るという方法もあることにはあるので、お好きな方を選択してください。
ちなみに少しめくってみるとこんな感じです。
そうしたら取り分けておいた果実部分をパンを並べた中に全部入れます。
飛び出ている部分を内側に折り込みます。
真ん中に、底面パーツを作った時に余ったパンを入れます。
ではいよいよシロップを流し入れますが、側面のパンとパンの間、上の白い部分にかけることを意識しながらかけていきます。
最後にヘラやハケ等で残ったシロップを白い部分に塗ります。
塗り終えたらこんな感じになりました。
ラップをします。
その上から重しをします。私は大きめの鉢にしました💦
重しをしたまま一晩冷蔵庫に入れます。
今回作った量で、この容器だと心配はないのですが、プディングのかさが容器ギリギリもしくは少し多い場合は、冷蔵庫に入れる際に下にお皿を敷いておいた方がいいかもしれません。
シロップが漏れてしまう場合があります。
デコレーションする
一晩経って、重しを外しました。
ラップを取ったら、ヘラなどで側面を一周して取り外しやすくします。
お皿をかぶせてひっくり返ししたら、容器を持ち上げて上下に小刻みに揺らします。
容器から抜けました。
解凍しておいた冷凍ミックスベリーを載せていきます。
材料のところにも書きましたが、デコレーションは自由なのでお好きなように楽しんでください。
切り分けていきます。
切っている時に、パンにシロップがしみ込んでいることやベリーの詰まり具合が包丁伝いに伝わってきて早く食べたくなりました💦
私は甘酸っぱい味が大好きなのでそのまま食べるのですが、そこまで酸味は得意じゃないという方にはアイスクリームを添えるのもお勧めです。
これは夫用なのですが、アイスクリームを添えました。
そして濃厚ベリーに慣れていない子供の分は、ほとんどアイスクリームです💦
いつか『サマープディング』の比率を上げて食べてくれればいいなと思っています😅
追記 一人用のサマープディング
後日、蕎麦ちょこを利用して1人用のサマープディングも作ってみました。
今回紹介した冷凍ベリー、砂糖、レモン果汁に大さじ2杯の水を加え(最初からパンの量が増えると思っていたので水を加えました。)、フィリングを作り、蕎麦ちょこで3つ分作ることができました。
しかし、個数が増える為、食パンの使用量は増えました。1つに付き、3.5枚使用しました。
蕎麦ちょこの底面より少し大きな円を切り抜く為、グラスをひっくり返して使用しました。
パンを敷いてみるとこんな感じです。
大きいサイズを作るときはパンを縦長の向きに置いて台形に切りましたが、今回はサイズが小さくなるので、横長に置いて台形に切りました。
ベリーを詰めた後はパンの端を折り込み、シロップをかけます。
大きな容器だと、余ったパンで蓋をする必要がありませんでしたが、同じフィリングの量で3つ分だと、折り込むだけで大丈夫でした。
同じ蕎麦ちょこがあれば、重しに使えるのですが、我が家には現在3つしか蕎麦ちょこがなかったので底が平らな子供用のコップに水を入れたものを重しにして、冷蔵庫で冷やしました。
サイズは違うのですが丸ごと一人で食べると充実感がありました💦
まとめ
イギリスの夏の定番デザート、『サマープディング』はこれでもかとベリーの甘酸っぱさを感じられるお菓子です。
私は自身の体質もあり、あこがれながらも人並みに洋菓子を食べることが難しいので、洋菓子はかなりアレンジしたレシピで作ることがほとんどです。
そんな中でこの『サマープディング』は特に大幅変更しなくてもいい、かなり珍しいデザートです。(生クリームはかけませんが💦)
プディングと言ってもプリンとは違いますし、ケーキでもゼリーでもないので知らない方にはその食感を含め不思議に感じるかもしれません。
現に夫も初めて食べてもらった時に、びっくりしたようです。
そんな夫でもアイスクリームを添えるとクリーミーさが加わり格段に食べやすくなると言っていました。
『サマープディング』は名前に夏と入っていますが、実際はいつ食べてもいいので、興味のある方には是非試していただきたいと思います。
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