2020年11月3日、東京ドームにてTHE YELLOW MONKEYの30th Anniversary LIVE-DOMESPECIALが行われました。
この公演は間違いなくイエローモンキーの歴史に刻まれるものでした。
コロナ禍のなかイエローモンキーのメンバーはもちろんのこと、それ以上にこの公演に携わるスタッフの方たちの熱意であったり、魂というものを感じられた公演でした。
もちろん観客の協力も大きかったと思います。
だからこそ私自身も協力したいという気持ちと、一緒にライブを成功させたいという思いが高まりました。
きっとそれはあの場所にいたすべての人が思っていたんだと確信しています。
こんなことを断言するというのは普段の私はあまりしないのですが、どうしても感じたこと、見てきたことを伝えたいという思いに駆られました。
今回のライブはコロナ禍で行われる初めての大規模なイベントということで今までのライブとは様々な点が異なり、対策が取られていました。
今回のライブで行われていたことは以下のようなものです。
- 2週間前に接触確認アプリCOCOAをインストールし、起動させる。
- 会場のキャパシティの半分以下の観客人数での公演(東京ドーム19,000/46,902)
- 入場時間の制限。
- 会場付近の装飾は最小限。
- グッズの販売の大半はインターネットの事前販売で、当日はタオル1種類のみの販売。
- 入場時にスプレーによる手指消毒、サーモグラフィーによる検温、目視による手荷物検査、スタンプによる電子チケットのもぎり、足ふきマットによる足裏消毒が行われた。
- 施設内ではフェイスガードとマウスガードもしくはマスクを着用したスタッフが通常の公演より多めに配置されていた。
- 客席は一席とばしで、前列とも互い違いの配置になっている。
- 客席にて、東京都ドームアラートの登録をする。
- フリフラが全席に置かれている。
- 無発声、無歓声での公演鑑賞のお願いがLIVEの前に行われた。
- 公演中はCOCOAを起動させておくため、携帯の電源は切らずにマナーモードにする。
- 公演終了後は入場時と同じように各フロアのブロックを細かく設定して、退場をお願いされた。
たくさんの変更点があり、戸惑うこともありましたが、これらのおかけでライブを楽しむことができたので本当に良かったです。
前半でこのライブのコロナ対策について、後半は個人的なライブの感想についてもまとめていきたいと思います。
今回のライブで行われたこと、コロナ対策
今までのライブとの相違点、コロナ対策等についてさらに詳しくまとめて行きたいと思います。
チケット購入から当日まで
元々30th Anniversary DOME TOURの東京公演は4月4日と4月5日に東京で行われる予定でした。
私も4月4日に友人と行く予定でチケットも取っていたのですが、2020年に入ってから新型コロナウィルスの感染人数が増え、様々なイベントが中止され始め、世の中も自粛ムードが高まりました。
そして3月27日にはファンクラブから4月4日と5日の東京公演の延期が発表されました。
丁度、息子の幼稚園の卒園式が終わって、小学校の入学式はどうなるのなどと考えていた時期なので中止でなく延期となっても見通しがたたないような複雑な感情だったのを覚えています。
そして6月30日に新規4公演開催決定と4月の東京ドーム公演の払い戻しの案内が来ました。
新規4公演の開催日時
- 11月3日(祝)東京ドーム
- 11月7日 (月)横浜アリーナ
- 12月7日 (月)国立代々木競技場第一体育館
- 12月28日(月)日本武道館
2公演の代わりに4公演?と少し驚いたのですが、実際に11月3日の人数制限のあるライブを経験すると公演数を増やしたのも納得できました。
観客数が減る事により感染リスクは大幅に減らすことができます。
実際、不安に感じることはありませんでした。
しかし、その一方で、興行として考えると観客数が半分以下では収益が減るので難しくなります。
いろいろ熟考された上の最善の公演数だったんだと思います。
その後、8月下旬に11月3日の公演のチケットをファンクラブ会員の先行抽選に応募し、9月18日に当選通知が来ました。
通常であれば抽選、当選発表などはもっと早い段階で行われるのですがコロナとの兼ね合いもあるので、ギリギリの調整の結果なのではと思います。
そしてそれゆえに、スタッフの方たちは大変なスケジュールで準備されていたんでしょうから、頭が下がる思いです。
公演の2週間前には接触確認アプリCOCOAのインストールと起動を依頼されました。
そして『Sing Loud!』という企画でファンから歌声を集める企画も行われました。
当日の流れ
読売新聞朝刊紙面にて広告掲載
11月3日の朝、読売新聞の朝刊に広告が掲載されました。
東京ドームを背景に黄色い字で『19,000/46,902 ここから始めます。』という文が書かれていました。
この公演は単にザイエローモンキー のライブというだけでなく、コロナ禍でイベントなどの自粛がされるようになってからの初めての大人数のイベントであるという側面もありました。
その決意というようなものが感じられました。
私は紙面に出された広告と同じものをファンクラブからのお知らせで見たのですが、友人は実家が読売新聞を取っているとのことで、朝刊を確保してもらっていました。
入場時間の分散化
以前であれば開場は本番の1時間ぐらい前でしょうが、今回は座席によって時間が指定されていました。
しかし今回はというと15時30分から17時35分までの間に15分ずつで5回に分けての入場時間が指定されていました。
また通常のライブだと早めに待ち合わせて交流を図ることが多いと思うのですが、禁止ではないものの集まりなども控えてほしいとの旨の連絡もありました。
私たちの入場時間は16時20分からだったので、友人とは15時45分くらいに待ち合わせることにしていたのですが、結局二人とも15時半には水道橋駅に着いてしまいました。
水道橋の東口で待ち合わせをしたのですが、あまりに人が少なくてびっくりしました。
分散の効果はすでに表れていました。
早く着いたとはいえ、いつものようにお茶や食事をするわけにもいかないので積もる話をしながら会場の東京ドームへと歩いていきました。
東京ドームに着くと、規制入場のご案内が表示されていました。
6つのエリアがエリアごとでなく、それぞれのエリアで5つの時間帯に区切られています。
会場付近の様子
通常、会場にはそのツアーのためのデコレーションされた看板や、フォトスポットとなりえるようなものが設置されています。
みんなが思い思いに写真を撮ったりして、人が集まってしまうからか設置されていませんでした。
その代わりにWOWOWの看板前で写真を撮ったりする人もいました。
今回のライブはWOWOWでの生放送と、ライブビューイングが同時に開催されたのも画期的でした。
私はライブビューイングをしたことはないのですが、遠くにいて会場に行けなくても見られるなんて最高ですよね。
ライブチケットが取れない人や小さい子供がいたりして参加できなくても楽しむことができるかもしれません。
期限はありますが、何度でも見られるというのは素晴らしいですよね。
また、今回のライブのグッズ販売は事前と事後のオンライン販売が主体で、当日ではタオルが1種類のみの販売となっていました。
販売時間は13時から18時までと長めに設定してありましたが、途中で売り切れてしまっていました。
入場の際チェック
いよいよ入場の時間になりゲートに向かいました。
まずは手指のアルコール消毒です。
そしてCOCOAをの画面を開いて『陽性者との接触を確認する』を自分でタップし提示します。
その次にサーモグラフィーでの体温検査です。
そして荷物の検査は鞄を置いて自分で中を見せ、係員の人から見えにくいものがあったりすると、「このタオルを持ち上げていただけますか。」などとお願いされて、自分でタオルをどけて見せるというような流れで行われました。
そして、電子チケットのもぎりはスタンプで行われましたが、スタッフの方は携帯に触れないように気を付けられているなと感じました。
中に入るときにはマットの上を通ったのでそこで足裏の消毒がされていたんだと思います。
ドームの入り口もそうですが通路などにはフェイスガードとマウスガードかマスクをダブルで付けたスタッフの方たちがいました。
お客さんの人数が少ないからか相対的にスタッフの方が多いようにも感じました。
トイレの様子
ドームのトイレは再度2か所に出入り口があるのですがどちらにもスタッフの方が配置されていて入口と出口がはっきり示されていました。
列を作って並ぶ際も通常より間隔を取って並ぶ感じでした。
また必ずアルコール消毒も置かれていました。
客席の並び
客席は左右が一席ずつ空けられていて、友人とも一席飛ばしの配置でした。
前後の列は互い違いに、人がいる場所がずれるように配置されていました。
前も見えやすいし、少々動いても人にぶつかってしまったりすることはなさそうでした。
東京ドームアラートの登録
座席には東京ドームアラートの登録ができるようにステッカーが貼られていました。
会場の中にいるスタッフの方が時折、登録を促していました。
私たちも座席についてすぐに登録しました。
フリフラ
座席にはこのように白い物体が。
フリフラです。
私は今までお目にかかることはなかったのですが今回初めて手首に巻いて使用しました。
隣の空いている席にも置かれていました。
ちなみに光るとこんな感じです。
電池のオンオフは出来ますが、完全に会場側でコントロールされていて、色も変わります。
開演直前あいさつ
今回は大変珍しいのですが、開演前で照明が明るく客室が照らされる中、TYMS PROJECTのスタッフの方がステージ上で挨拶をされました。
挨拶を聴きながら今回ライブのためにたくさんの人が努力をされてきたことがヒシヒシと伝わってきました。
お願いされたことの一つに携帯電話の電源を切らずにマナーモードのしておくということがありました。
通常は電源を切るのが当たり前ですが、今回はCOCOAを起動しておくために電源は切らないようにとお願いされました。
みんな事前に知ってはいるはずですが、今回のライブでは「無歓声、無発声でお願いします。」とお願いされた時は会場にどよめきが起こりました。
でも体はどんなに動かしていただいてもかまいませんということで、フリフラの使用方法の説明や空いている席の分も使っての2個付けも勧められるころには、観客としても期待に応える振る舞いをしたいと心から思えました。
公演後
公演後の流れについても説明していきます。
退場
退場は入場時と同じようにそれぞれのエリアで区切られてアナウンスがあった場所にいる人から退場できるようになっていました。
入場時と同じように長時間待つことになるのかなと思っていましたが、サクサクとは進んでいたので、友人とライブの振り返りをしているとあっという間に退場の時間になりました。
いつもは我先にと人の波ができて、その中をぎゅうぎゅうになりながら帰ることが多かったので、時間に余裕さえあれば、ずっとこのスタイルは続けてほしいとさえ思いました。
ドーム内の移動
会場を出て出口に向かう途中、狭い階段を大人数で登る場所があり、友人は密だなと言っていました。
確かに、その場所を通るときは前後の間隔も狭く感じられましたが、先日箱根で込み合うバスに乗った私からするとそんなにぎゅうぎゅうであるといった印象は受けませんでした。
駅までの人出
規制された退場のおかげでいつものような込み具合にならなかったので、駅までもいつものような混雑した状況ではなく、自分の周りにある程度の余裕も持たせながらスムーズに歩けました。
とはいえ、イベント時で人出はあるので駅に近づくにつれ、居酒屋の勧誘の人たちが多くなっていきました。
マスクをしていない人もいて、「せっかく万全の対策のライブ帰りなのに話しかけないで~。」と思いました。
水道橋駅構内の様子
駅も通常であればライブ終了後は大混雑になり、改札前で駅員さんが忙しそうにされている光景がみられます。
今回は混雑もなく改札を通って、階段を上る頃には私の前には誰もいませんでした。
それぐらいドームからの流れがスムーズであり、規制退場がうまくいったんだなとちょっとうれしく思えました。
東京ドーム公演の様子
それでは後半は覚えている限りの記憶を頼りにライブの様子をまとめていきたいと思います。
かなり個人的な見方ですし、配信を見たりはしておらず、記憶が曖昧な部分もあるので間違ってしまっている部分もあるかもしれませんがお許しください。
コロナ禍ですが、吉井和哉(Vo)ロビン、菊地英昭(G)エマ、廣瀬洋一(B)ヒーセ、菊地英二(Dr)アニーの4人のライブパフォーマンスを堪能できて本当に幸せでした!!
11月3日 東京ドーム公演 セットリスト
当日のセットリストはライブ終了後に公式のファンクラブサイトに掲載されました。
曲順 | 曲名 |
1 | 真珠色の革命~Pearl Light Of Revolution~ |
2 | 追憶のマーメード |
3 | SPARK |
4 | Balloon Balloon |
5 | Tactics |
6 | 球根 |
7 | 花吹雪 |
8 | Four Seasons |
9 | Foxy Blue Love |
10 | SLEEPLESS IMAGINATION |
11 | 熱帯夜 |
12 | BURN |
13 | JAM |
14 | メロメ |
15 | 天道虫 |
16 | パンチドランカー |
17 | Love Communication |
18 | バラ色の日々 |
19 | SUCK OF LIFE |
20 | パール |
21 | 未来はみないで |
22 | 楽園 |
23 | ALRIGHT |
24 | 悲しきASIAN BOY |
25 | プライマル。 |
ライブの様子
ライブはファーストアルバムの収録曲でバラードナンバーの『真珠色の革命(Pearl Light Of Revolution)』からスタートしました。
この曲はライブでは節目のライブなどでは聴ける曲ではあるものの、私が知っている限りではオープニングに使われることはなかったと思います。
ライブが始まった嬉しさがある反面、声を出せないという状況で今までと違う対応をしなければならないんだと思っていたので、叫びたくなる曲でなくて良かったです。
そして歌詞のなかの”change’s coming, change’s coming…”がなんだか今置かれている状況と重なる感じもしました。
2曲目は『追憶のマーメード』でした。
切ないメロディラインがたまらない曲です。
この曲は私がイエローモンキーのファンになった後に出たアルバム『FOUR SEASONS』にも納められていた曲です。
学生時代にこの曲が好きな友達と集まってスタジオを借りて、バンドでもないのに曲を演奏したりもしていました。
その時一緒に過ごしていた友人と一緒にこのライブに参加できていることが本当にうれしく、イエローモンキーのライブに参加できる喜びを共有できる幸せを感じることができました。
3曲目は『SPARK』でしたが、とうとう叫びたくなる曲がやってきました。
ロビンも「暴れるぞ。東京!」と叫んでいました。
しかしやはりライブを成功させたいし、声を出すこともできないのでいつもに増して飛び跳ね、腕を振りまくりました。
左右と前後が空いていて良かったなと思ったのはきっと私だけではないはずです…。
4曲目は一番新しいアルバム『9999』のナンバーの曲、『Balloon Balloon』でした。
この曲は私がこのアルバムの中で一番好きな曲です。
イントロもAメロもBメロもサビもすべていい曲です。
懐かしさを感じられる曲で、昭和歌謡要素がたっぷりと感じられるのですが、ロビンの声で歌われることで艶っぽく、いい心地で聴くことができるんですよね。
昭和50年代生まれの私にとっては子供時代に知らず知らず乗るうちに聞いていた昭和の名曲のせいなのか、こういった曲調には弱いんです。
「あーもー最高だわ~。」と思っていると次に『Tactics』のイントロが…。
この曲も『FOUR SEASONS』にも収録されていますし、『JAM』のカップリングということで聴きこんでいたいた曲なので思わず友人と顔を合わせて喜びました。
その後一度完全に静かになったあとエマのギターが会場に鳴り響きました。
ステージ横のスクリーンにはギターの音色に合わせるように赤い光というか線がたくさん現れて動いて、とても神秘的かつダイナミックな生命力があふれた演出がされていました。
やはり流星でしょうか。
とても個人的な見解ですが、東京ドームというところはあまりギターには音響的に環境が良くないと思っているのですが、さすがにエマのギターだけが鳴り響く状況下では思わずうっとりしてしまいます。
そしてそのまま『球根』へ。
ザイエローモンキーファンの方ならエマとアニーのお父様がこの曲を好きだったというエピソードを知っているんではないかと思うのですが、いろいろ思うこともあり30th記念のライブで聴けて良かったです。
そしてこの後、アリーナの中央に作られた小さなステージで4人が移動して演奏をする展開になりました。
アリーナ中央付近のお客さんは大喜びしているように見えました。
私たちは1階席だったので遠いことには変わりないのですがそれでも数十メートルは4人が近づいたのでテンションが上がりました。
ロビンが4人で30周年の歩みを奏でたいと言って、まず最初に演奏したのは『花吹雪』でした。
この曲はアルバム『SICKS』に収録されている曲です。
友人が大好きな曲だったのでまたまた友人と顔を見合わせて幸運を喜びました。
そして中央ステージ2曲目は『FOUR SEASONS』。
”まず僕は壊す”を久しぶりに聞けました。
アルバムのタイトルと同じ曲でありあまりライブで聴ける曲ではなくこれも聞けてうれしかったです。
”新しい予感 新しい時代”というのもなんだか考えさせられるフレーズだなと思いながらこの曲スケール感に浸りました。
ロビンのMCの後、懐かしい曲ということでファーストアルバムの『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE』に収録された『Foxy Blue Love』とインディーズアルバム『Bunched Birth』の中の『SLEEPLESS IMAGINATION』が続けて演奏されました。
私は『Foxy Blue Love』の中間のドラムからギターの掛け合いそしてベースが入ってくるところの流れが好きでずっと乗っていられてよかったです。
『SLEEPLESS IMAGINATION』もノリがいい曲でサビの”La la la la ….”では手を振りまくりました。
初期のサウンドは70年代のグラムロックのような雰囲気があってとても魅力的なんです。
ロビンのタンバリンもいい感じでした。
中央ステージ5曲目は私が最初に買ったアルバムで、イエローモンキーの4枚目のアルバムである『smile』に収録さてれいる『熱帯夜』でした。
この曲は今まで何回聞いたか分からないくらい聴いてきました。
MVのキラキラのテープとひまわり、ヒーセの赤と白のボーダーのパンツが目に浮かんできます。
こう言う曲調はあの頃のイエローモンキー特有の感じがして、今後同じ雰囲気を持った曲は生まれてこないんじゃないかと思います。
だからこそ、ライブではこの世界観にどっぷりと浸かりきりました。
次の曲は『BURN』でした。
こちらは『PUNCH DRUNKARD』に入っている曲ですが、力強くドラマティックな曲です。
照明が炎のようなオレンジになっていると思うと、はたまた青系になり、さらに赤に変わったりしたのが印象的でした。
そしてここで再びMCが入りました。
たぶん、2001年『メカラウロコ8』のことだと思うんですが、ロビンが最後のドームはあまり気持ちよくできなかったのでいつか気持ちのいいドーム公演をしたかったと言って、ソールドアウトしたにもかかわらずなくなってしまった4月の公演についても話してくれました。
またコロナ禍で日本だけでなく世界で初めてこんなにお客さんを入れてのコンサートになるんじゃないかとも言っていました。
そしてそれはスタッフの必至な気配りや努力などがあってこそとも話してくれたので、今日の日を迎えるまでのたくさんの人の頑張りについて考えさせられました。
そして『JAM』の演奏が始まりました。
東京ドームと『JAM』と言えば忘れもしない2004年12月26日、解散後に行われた『THE EXHIBITION AND VIDEO FESTIVAL OF THE YELLOW MONKEY』での演奏が思い出されます。
あの演奏は久々に4人を見ることができたという喜びよりも悲しさみたいなものを感じてしまったのですが、きっと4人もファン以上に複雑な感情を抱いたんじゃないでしょうか。
そういった意味でも今回の東京ドームでの『JAM』は前向きさのある、心に響くいい演奏でした。
そして、この曲で確か初めてフリフラが真っ赤に点灯しました。
あらかじめ空席にされている2階席の端の方の座席にも置かれていたので、会場全体で光って圧巻でた。
この曲が終わると、中央のステージでの演奏は終わって、4人は元居たステージに向かって帰っていきました。
暗くなったので、ここで時間を取ったりするのかなと思った時に、サポートメンバーの鶴谷さんの奏でるピアノが鳴り始めました。
イントロは紛れもなく『メロメ』でした。
『メロメ』は『8』というアルバムに収められている曲ですが、ピアノとストリングスのアレンジが素晴らしい曲なのですが、そこにエコーがかかったロビンの声、更にはファルセットにもうっとりできるような曲です。
ただ独特の世界観がある曲という特質上、ライブではきっと聴けないよねと友人といつも話していました。
友人の大好きな曲でもあるので友人は直立不動で涙していました。
メインステージに戻って2曲目は『天道虫』でした。
ノリノリの曲で、曲中にはステージ前に花火が上がる演出もあり、派手なステージングを楽しむことができました。
続いては『パンチドランカー』で、アニーのドラム、ヒーセのベース、エマのギター、そしてロビンのボーカルが重なっていくのを体で感じ、”フフフフ…”のところでパンチを繰り出しました。
ギターソロもとてもかっこいいんですけど、個人的にはこの曲のドラムとベースがたまりません。
そしてその次が『Love Communication』でした。
今度は私の大好きな曲です。
一番最初に買った4thアルバム『smile』に収録されていた曲というのもあるのですが、私はどちらかというと歌詞よりも曲の構成だったり、メロディーや楽器の特徴が分かるような曲でアップテンポの曲が好きなので、すぐ好きになり、本当によく聴いていました。
最近は全く行かなくなってしまいましたが、若いころよく行ったカラオケではこの歌は絶対に歌う曲でした。
ロビンも会場を走り回っていて、見ているこちらもノリノリです。
体にしみ込んでしまっている歌なので今回は歌わないようにすることに苦労しました。
その次はいよいよ待ちに待った『バラ色の日々』でした。
この曲は満員電車で毎日仕事に向かっていた時に自分を奮い立たせるかの如く聴き込んでいた曲なので思い入れがある曲です。
また、この曲はライブではファンが歌うパートが多く、バンドと観客が一緒に歌う、演奏するといったことを体験できるナンバーでもあります。
今回は『Sing Loud!』という企画で事前に集められたファンの歌声が会場の中央に吊り下げらたスピーカーから流されました。
”追いかけても追いかけても…”とロビンが歌うのではなく、集められたファンの声が会場に響き渡りました。
そしてそれにこたえる形でロビンが最後にと”ビューティフォー”と叫んで、もう涙腺崩壊でした。
声を出すことができず、悶々とするファンもきっと多かったとは思うのですが1万9千人の観客の胸の思いが会場に広がったように感じられる瞬間でした。
さらに続けて『SUCK OF LIFE』が始まりました。
お決まりのマイクスタンドパフォーマンスも見られてよかったです。
グルングルンと回ってました。
ロビンは背が高いのでスタンドを回す姿も様になります。
以前はライブではメンバー紹介に使われる曲でしたし、そして何よりこの曲はロビンとエマの妖艶な絡みが見られる、ライブでは特に重要な曲でもあります。
このライブ中はバンドメンバー同士の距離感も通常より長く設定されていると感じていたのですが、今回は一体どうするんだろうなんて頭の片隅で考えておりました。
するとギターソロの前あたりかロビンが後ろを向いて何か始めました。
振り返ったロビンはなんと自身の口元がプリントされたマスクを装着していました。
会場は大ウケでした。
エマに近づいていくときには「ソーシャルディスタンス」と言っていました。
クスっと笑ってしまいました。
ロビンの独特のユーモアもイエローモンキーのファンの心を掴んで離さない要素だと思います。
期待を裏切らず、こちらが見たいと思っていたものを見られるっていうの幸せなものです。
そしてその流れのまま『パール』へ。
『パール』はイエローモンキーの曲の中でかなり短い曲だと思いますがカッコよさが凝縮された曲だと思います。
この曲がリリースされたころのインタビューでロビンが急になんで古い時代の格好をしているんだろうとか思ったりしたというようなことを言っていました。
MVも何となく未来を感じるようなものでイエローモンキーがなんか変わるのかもと、すごくいい曲なのになんだか心配に思ったことが昨日のように思い出されました。
この曲を復活したイエローモンキーが演奏をし、こういった特別なライブで聴くことができているなんてとノリノリのアッパーチューンなのに感慨深く感じてしまいました。
ここでMCが入りロビンから『未来はみないで』について話がされました。
再結成後初めてできた曲であること、30thライブツアーでこの曲を演奏して充電期間に入る予定だったことなどが語られました。
一番印象的だったのはこの曲の歌詞についてで、作った時にはもちろん考えもしなかったのに、今この現状の中で響く歌詞になっていたということでした。
この曲はファンクラブの4月4日のライブチケットを購入者へのメンバーとTYMS PROJECTからメモリアルギフトということでプレゼントされたCDを聴いたのが最初でした。
ちなみにオフィシャルファンクラブ会員限定のケースは表紙にライブの日付、ライブの開催場所、会員の名前と会員ナンバーがいれられていました。
中を開くと左側に未来はみないでのCDが、右にはメンバーの様々な表情の写真が各4枚、計16枚が並べられた大変素敵なものでした。
プレゼントをもらってからこの曲をライブで聴くのが楽しみでしたが、やっと聞くことができて本当にうれしかったです。
ライブはここでいったん終わり、4人がステージから掃けていきました。
アンコールって通常ならみんな思い思いに叫んだりするのですが今回はそうはいきません。
もう各自が拍手を頑張るしかありません。
腕が疲れようが、手のひらが痒くなろうが知ったこっちゃありません。
ひたすら叩くしかありません。
思い通じてアンコールがスタートしました。
アンコールの1曲目は『楽園』でした。
アンコールでは演奏されるイメージが無くて今回は聴けないかと思っていていました。
サビにかけての高揚感がたまらない曲です。
明るめのライティングで会場の一体感があるのもよかったです。
そして2曲目は『ALRIGHT』です。
言わずもがな復活の曲です。
歌詞はどうとでも取れるのは分かってはいますがどうしてもイエローモンキーが再結成したことと重ね合わせてしまうんですよね。
”今夜準備”と言われたら、一緒に”ALRIGHT“と一緒に叫びたかったなぁ~。
3曲目は『悲しきASIAN BOY』でした。
おなじみの『THE YELLOW MONKEY』という文字の派手な電飾が現れれば、会場のボルテージも上がります。
ファンの腕振りも気持ちよくなるぐらい合っています。
二回目の花火は勢いがあり、ドームに跳ね返った音も爆音でした。
キラキラの紙吹雪越しにメンバーを眺めながら、ライブが終わってしまう淋しさを感じてしまいました。
そして最後の曲は『プライマル。』
この曲は復活最初のライブのオープニングアクトの曲でした。
代々木には行けなかったのですが、同じライブツアーの埼玉スーパーアリーナに行って聞いた時の感動が蘇りました。
曲の大半以上は薄い幕越しの演奏で既に涙が流れ、最後の最後に幕が開いたら号泣のやつです。
この曲は2001年1月4日に同じ東京ドームで行われた活動休止前のラストライブ『メカラウロコ8』に参加した後に、リリースされ一度もライブで演奏されることなく、バンドは解散。
15年もの長い年月をかけてやっと演奏された曲でもあります。
活動休止後にこの曲を聴きながら気持ちをどこに持っていけばいいのか、失恋にも似た気持ちでしかこの曲に向き合えなくてそのまま時間が過ぎましたが、アリーナで聴いたときにすべて吹き飛びました。
今となっては只々名曲です!!
ラストにふさわしく最高でした!!
そしてライブの最後にカメラマンさんが出てきて記念撮影をすることになりました。
最初にステージを背にしてメンバーの写真を撮り、今度は客席を背に私たち観客を含めた写真を撮ってくれました。
きっと私たちは写ったとしても肉眼で確認できないレベルの小ささかもしれませんが良い思い出になりました。
4人の衣装
正直、1階席だったので肉眼で認識できるわけもなく、あくまで遠くからモニターで見て認識した範囲、しかもあまり知識がない私の記憶の衣装紹介です💦
ロビンの衣装は3ピースのスーツでした。
といってもやはり70年代っぽいシルエットです。
パンツはフレアパンツです。
フレアパンツやブーツカットなど裾が広がるデザインは足が長くない自分は一番似合わないシルエットのパンツで、若かりし頃に流行ったりしたのですが、実際に似合っている人にあったことがない代物です。
なのにメンバーは似合ってしまう。
そう、4人は足が長いんです。
個性的なファッションを見てはいつも楽しませていただいていますが、70年代のUKロックシーンを彷彿させるようなスタイルがにあう男の人達って他にいましたっけ?
本物の70年代のUKロックスターかイエローモンキーのメンバーしかいないように思えてなりません。
もう少し若い人ならドレスコーズの志摩さんもかな…。
でもメンバー全員がスタイルのいいバンドってそうそうないので奇跡的なんですよね。
ロビンには珍しいと思うのですが、少しグリーンががった明るい水色でスェードのような素材感にみえました。
中に来ているシャツはシルバーで、ベストの背中もたぶん同じシルバーの生地が使われているようでした。
なんておしゃれなんでしょう!!
最初はカチッと見せておいて、ジャケット脱ぐ頃には、テロっとしたシャツの袖とピチッとしたベストのコントラストで魅せます。
ベストも脱げば、いつの間にか外されたボタンが増えていて、セクシーさが駄々洩れです!!
以前からライブに一緒に行っている友人には言っているのですが、私は大ファンですがロビンには絶対至近距離で会いたくないんです。
そんなことが起こったら立っていられないかもしれないし、心臓が止まってしまう可能性もあるんじゃないかと思うんです。
昔は会ってみたいと思えたんですが、40代になった今は絶対に無理です。
心配しなくてもきっとそんなことは起こらないでしょうが…。
次にエマですが、私は常々サイケデリックなファッションのディティールの服装が一番似合う人だと思っています。
この日は白いロングのジャケットを着ていました。
白と言っても無地ではなく大きく線描きで数種類の花が描かれていて、さらにぼかしたような色が花の上に載っていました。
中に来ているシャツは上品にラメが光る黒のフリルシャツ。
パンツも同じぐらいのラメ感の黒のパンツです。
フリルシャツはエマが日本人の中で一番似合うと思います。
ロビンもフリルのシャツを着ていたことがありますがエマには到底かないません。
もう、アルフィーの高見沢さんにも負けません。
ロビンもエマも妖艶さがありますが、エマには笑顔でいても隠せない少し退廃的な雰囲気があり、そこが本当に魅力的です。
耽美的と言った方がいいでしょうか。
耽美的な魅力は昔はロビンにもあったように思うのですが、なんだか最近健康的な雰囲気も感じられるようになりました。
でもエマにはあるんですよね。一向に減らない魅力です。
次は断トツおしゃれ番長のヒーセです。
やはりヒーセの衣装がいつも一番こだわりを感じます。
ヒーセもジャケット、シャツ、パンツというスタイルですが、モノトーンが基本なのに光る、光る。
同じ黒のラメでもエマとは光り方が段違いでした。
そしてやはり注目はジャケットです。
名前が分からないのですがとにかく大きめの尖ったような襟が特徴的なジャケットでした。
モノトーンではあるものの襟はシルバーでかなり目立ちました。
ちらっと見えましたがジャケットの裏地と同じ生地のようでした。
ジャケットの素材的に、光が当たり方で見え方が変わり、キラッキラッでした。
よく見ると、ヒョウ柄のような模様が全体的に入っていたのですが、なんせモニターなのではっきりとは見えず、もしかしたら他の柄かもしれません。
シャツも同じような配色のテロっとしたシャツですが、パイピングがシルバーになっていたりと、細かいところまでこだわった感じが流石洋品店の洋ちゃん。
最後にアニーです。
アニーは明るい紫色のド派手なラメのジャケットでした。
力強いドラムさばきとよく合って目が釘付けになりました。
でも、当たり前ではありますがアニーがずっとジャケットを着ているなんてことはありません。
やはり途中からはジャケットを脱いで、いつものタンクトップスタイルになっていました。
筋肉は衰え知らずですね。
イエローモンキーのサウンドはアニーのドラムに支えられていますのでアニーの筋肉様様です。
一番露出が多いと言えば多いですが、タンクトップと筋肉質の腕が定番衣装といったところでしょうか。
ちなみにタックトップとパンツは黒でした。
まとめ
今回のライブは実際に見る前は、席も半分以上空いた状態だし、声も出せないし、いったいどんなライブになるんだろうとどこか不安な部分もありました。
それでも私にとってイエローモンキーのライブというのは特別なイベントであり、参加しないという選択肢はなく、できる範囲で楽しもうと腹をくくって臨みました。
始まる前にコロナ対策でいつもと違うオペレーションを体験し、開演前のスタッフの方の挨拶でこのライブにかける多くのスタッフの熱量を感じました。
声は出せないけど、いつもより大きな拍手と腕を振り続ける観客といつも以上の一体感を感じました。
会場にはいなくとも、配信や生中継を見ていたファンの方々も同じように感じていたんじゃないでしょうか。
自分たちの望む形ではないかもしれないけど、イエローモンキーの勲章として歴史に刻もうと思いますとロビンが言ったとおりに最高のパフォーマンスを見せてくれた4人に言葉ではうまく言えないほどの感謝の気持ちが湧きました。
2020年11月3日の東京ドームのライブは自分だけの感情にひたるのではなく、たくさん人の思いに触れることができた本当に素敵な忘れられない公演になりました。
この状況下でこんなに素晴らしいライブをやり切ったザイエローモンキーは唯一無二のバンドです。
新しい時代が始まった気がしました。
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